top of page

災害時のエンバーマー

更新日:2019年12月19日


こんにちは。 エンバーマーの牛渡です。


9月に入って間もなく、関西・中部と北海道では立て続けに2つの災害がありました。

台風21号。 北海道地震。


被災されてしまった方々は本当に大変な思いをしていらっしゃることとお察し致します。


今回は、エンバーマーとしての災害支援について考えてみたいと思います。


エンバーミングで役にたつことのできる災害支援といえば、主なところは被災者遺族への支援となります。


もちろん、今を生きるための支援が最優先に行われるべきだと思いますが、被災によって死亡者がでてしまっている以上、そのご遺族や、ご遺族へ対してのグリーフサポートとして、亡くなってしまった被災者のお身体へ対するケアも必要なことのひとつではないかと思います。


そして、ご遺体へのケアというものは出来る限り早急に行わなければ、状態はどんどん悪化の一途をたどっていってしまいます。


被災して間もない状況で、今を生きるのに必死な人もいる中で、ご遺体のケアなんか後回しにすればいいと思われる方もいらっしゃるとは思いますが、早い段階でご遺体のケアを行い、出来る限り良い状態でご遺族と対面できるようにすることによって、その後の二次被害と言ってもよいPTSDなども防げることへと繋がるかもしれません。


アメリカでは、DMORT(Disaster Mortuary Operational Response Team/ディモート)という国際的な災害死亡者家族支援団体があり、その中にはエンバーミングチームも含まれています。


実は日本にも、一般社団法人日本DMORTという団体があります。

私たちジーエスアイも日本集団災害医学会の会員として、日本DMORTの方々と情報交換などを継続しながら、連携がとれる体制を整えています。


もちろん、いちエンバーマーとしては今目の前にいるお客様、故人様に対して全力を傾けるべきですが、エンバーミングという技術をより社会的にも役立てるために、そしてそれが

被災者の方のグリーフサポートへと繋げられるように、今後、よりいっそうエンバーミングでできることの幅を広げて考えてゆかなくてはならないと思います。


 

[※1] DMORT(ディモート)とは、Disaster Mortuary Operational Response Teamの略で「災害死亡者家族支援チーム」と訳され、米国では災害時に派遣されて個人識別や修復、ご遺族への連絡と心のケアなどを主な業務としています。一方日本では、災害におけるご遺体への対応、ご遺族へのケア、ご遺族・ご遺体に関わるスタッフのメンタルケアなどの問題に取り組む、一般社団法人日本DMORTという組織が、この目的のもとに活動しています。

閲覧数:183回0件のコメント

最新記事

すべて表示
bottom of page